通信制高校は様々な理由で高校への進学が難しい人を対象にした通信教育の一種ですが、一方で卒業後の就職が難しいイメージもあります。
ここでは通信制高校の特徴や世間のイメージ、高校の選び方についてお伝えします。
高等学校と同等の教育を受けることを目的とした通信教育
制度上は一般的な高等学校と変わらない
通信制高校は名前の通り、通信教育で高等学校と同等の勉強ができる制度です。
様々な事情で高校へ進学できなかった人や中途退学した人が改めて高校での勉強を学ぶ場であり、満15歳以上であれば原則、誰にでも受験資格があります。
通信制高校の試験内容は学校によって異なりますが、一般的な高校よりも難しいことはほぼありません。
また、志望者に作文を提出させる所が少なくありませんが、これは高校の勉強を学びたいと望む志望者の意気込みを知るためです。
制度上、通信制高校は高等学校の一種と見なされるので一般的な高校との差はありません。
どちらも卒業した場合は最終学歴が高卒となります。
年齢を問わず様々な人が入学を志望する
一般的な高校は多くの場合、中学を卒業予定の15歳の人が受験します。
一方で通信制高校はその性質上、成人が入学することも珍しくありません。
高校に通わず成人になった人がもう一度学び直したいと考え、改めて入学するケースが散見されます。
また、高校を中退した人や不登校の人が高卒という学歴を得るために入学することもあります。
結果、通信制高校の生徒は年齢がまちまちになっているのです。
通信制高校が就職に不利と言われる理由と実状
通信制高校を卒業した人が就職するのは難しいというイメージがありますが、高卒の就職率の中で通信制高校だけが極端に低いという事実は存在しません。
全日制や定時制とほぼ変わりませんが、通信制高校には不登校や引きこもりなどネガティブなイメージがあるのも事実です。
漠然としたイメージから生じた、根拠のない憶測にすぎませんが、その憶測に影響されて実際の就職活動で苦労するケースもあります。
通学せず、自宅に居ながらにして勉強をする行為が協調性を持たないわがままな行為と見なされることもあり、そのような理由から全日制や定時制よりも就職に不利と言われているのです。
また、就職に不利と言われているものの、通信制高校の卒業生は自営業者になるケースが少なくありません。
会社組織に雇われる就職には含まれないため、通信制高校の卒業者は就職する割合が少ないと解釈されます。
しかし、まったく働かないというわけではなく、起業する人の割合が多いのが実状です。
通信制高校への偏見や誤解が根強く残っている事実は否定できないことから、就職だけにこだわるのではなく、自分に合った働き方を冷静に考えることが大切です。
通信制高校が就職に有利とされるポイント
通信制高校の卒業者は就職が難しいというイメージがある反面、通信制高校だからこそ就職に有利なケースもあります。
通信制高校は通学する必要がないのでその分だけ自由な時間を得ることができます。
その時間を資格取得などのスキルアップに用いることで、卒業後の就職活動を有利に進めることが可能になります。
また、卒業後の就職活動を見据えた専門的な科目を設ける通信制高校も多く、サービス業や福祉に関する事柄を学ぶことで就職しやすくなると言えるでしょう。
手厚い就職サポートを行う通信制高校もあるので、世間のイメージとは裏腹に実際は通信制高校の方が就職に有利なのです。
就職しやすい通信制高校の選び方
高卒の肩書きは就職活動の最低条件
最終学歴は高卒以上とする条件を掲げる求人広告は珍しくありません。
学歴とは無縁に思える職種でも、求職者をふるいにかける目的で高卒以上の学歴と条件を定めているのです。
これは高校すら卒業できない人に仕事は任せられないという考えが根底にあります。
学歴で人の良し悪しを決めるのは偏見ですが、一方である程度の学力や協調性が社会人には求められるのも事実です。
雇用主が改めて教育する必要がない人材を求める意味で高卒以上の学歴を求めているのです。
通信制高校の卒業生は即戦力になりやすい
高卒の就職率は全日制や定時制、そして通信制でも大きな違いはありませんが、資格取得などによって即戦力になりやすい通信制の卒業生が選ばれやすいのも事実です。
また、通信制は働きながら学ぶ成人の高校生も少なくないので、社会人としての常識やマナーを持っていることが評価されているのも事実です。
雇用する側も好意的な評価が多い学校の卒業生を優先する傾向にあることから、通信制高校で学ぶなら就職率が高く、ポジティブな評価が多い所を選ぶのが最適と言っても過言ではありません。
卒業後の進路を見据えて進学する高校を選ぶことが大切
通信制高校はネガティブなイメージがあるのも事実です。
しかし実際は専門的な科目の設置や手厚い就職サポートなど、卒業後の就職が有利な高校と言えるでしょう。
将来の進路を見据え、進学先は慎重に選ぶことが重要です。
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